補充遺言とは? / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

遺言書は、遺産を相続させようとしている相手、あるいは遺贈しようとしている相手よりも、あなたの方が、先に亡くなることを前提にして作成するものです。

あなたよりも先に亡くなった人に対して、相続させるとか、遺贈するという趣旨の遺言を書いたところで、そのような遺言は効力を生じません。

ここで問題になるのが、遺言書を作成した後で、遺産を相続させよう・遺贈しようとしていた相手が、あなたよりも先に亡くなってしまった場合です。

その場合、どうしたらいいのか?

一つの方法は、すでにある遺言書を破棄して、新たに遺言書を作成することです。

自筆証書遺言は、何度でも、破棄して、新たに書き直すことができるだろうことは、想像できると思います。

民法にも次のような規定があります。

(遺言の撤回)
第千二十二条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第千二十四条  遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

古い自筆証書遺言を裁断したうえで、新たに自筆証書遺言を書けばいいわけです。

公正証書遺言で書いていた場合はどうか?

公正証書遺言も破棄することができます。新たに、自筆証書遺言を作成すれば、それが最新の遺言書になります。

しかし、公正証書遺言は、原本が公証人役場に保管されているので、手元にある公正証書遺言(正本・謄本)を破棄したところで、この世に存在しないものとすることはできません。

公正証書遺言の原本が公証人役場に保管されているのは、手元にある公正証書遺言(正本・謄本)が滅失したとか書き換えられたような場合に備えるためだからです。

つまり、新たな自筆証書遺言と古い公正証書遺言が存在してしまうことになります。

そのような場合、どちらが優先するのか?

形式も整っていて、公証人が関与した公正証書遺言が優先する。と考える方もいるかもしれません。

しかし、そうではありません。民法にはこうあります。

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第千二十三条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
この規定は、古い遺言が公正証書遺言で為された場合であっても、適用されるものです。新たな自筆証書遺言の方が優先されるということです。

どっちが、新しい遺言なのか分からないじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、いつ作成したのかを明確にするために、遺言書には、遺言をした日付を記載することとされています。

自筆証書遺言として認められるための要件をもう一度確認しておきましょう。

(自筆証書遺言)
第九百六十八条  自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

『その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。』とはっきり書かれています。

万が一の時は、遺言書を書き直せばいいわけですが、その時、あなたが、遺言書を作成できる状態にあるとは限りません。

もしかしたら、あなたも、病院に入院していて、意識が朦朧としている状態かもしれません。

周りの方が、あなたの病状を気遣い、あなたが遺産を受け継がせようとしていた相手が、不慮の事故などで亡くなってしまったことを知らせないかもしれません。

何より、病院に入院している時に作成した遺言書は、有効、無効を巡って、争いが起きやすいことは、先に述べたとおりです。

そのような状況の下で、古い遺言書を破棄して、新たな遺言書を作成するのは難しいと言わざるを得ません。

では、どうしたらいいか?

最初に、遺言書を作成したときに、遺産を受け継がせよう考えている相手に万が一の事があった場合のことを想定した上で、遺言書を作成するということです。

想定外だった……。ということにならないように、あらゆる事態を想定しておくのです。

例えば、あなたが遺産を甥や姪に遺産を受け継がせよう考えているとしましょう。

法定相続の場合、甥や姪が相続人になるのは、あなたに子供や孫がおらず、あなたの親兄弟が亡くなっている場合に、あなたの兄弟の代襲相続人として相続することができるのみです。

そして、忘れてはならないのが、甥や姪の子供は、あなたの遺産を代襲相続することができないということです。

甥や姪に相続させよう。甥や姪に万が一のことがあったら、その子供に相続させよう。

そのように考えているならば、遺言書に、その旨を書き記しておくことが肝要です。

具体的には……、

1、遺言者は、甥 甲野太郎に遺言者の有する財産の一切を相続させる。

2、万が一、遺言者よりも前、又は同時に甥 甲野太郎が死亡した時は、遺言者は、甲野太郎の長男 甲野小太郎に遺言者の有する財産の一切を遺贈する。

このような書き方をするのが、補充遺言と言います。

自分の子供世代の者が自分よりも先に亡くなることを想定して、万が一の時は、孫世代の者へ相続させるという二段階の補充遺言を作成しておけば、とりあえずは、問題ないと思います。

それでも不安だ。

例えば、もしも、甲野太郎と甲野小太郎が同じ車で出かけて二人ども事故死したらどうするんだ?

とお考えでしたら、さらに、補充遺言を書き加えることもできます。

その場合は、誰が亡くなった場合は誰に相続させる・遺贈するのか、の繋がりを読み取れるようにしておかなければなりません。

ただ、あまり書き過ぎると、遺言書の解釈を巡って、争いの種になってしまうことは必定です。

補充遺言は、二段階までが現実的な限度だと心得ておくべきでしょう。

※参考条文

公証人法
第二十五条  公証人ノ作成シタル証書ノ原本及其ノ附属書類、第五十八条ノ二第四項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル証書及其ノ附属書類、第六十二条ノ三第三項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル定款及其ノ附属書類並法令ニ依リ公証人ノ調製シタル帳簿ハ事変ヲ避クル為ニスル場合ヲ除クノ外之ヲ役場外ニ持出スコトヲ得ス但シ裁判所ノ命令又ハ嘱託アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
○2 前項ノ書類ノ保存及廃毀ニ関スル規程ハ法務大臣之ヲ定ム

※第五十八条ノ二  公証人私署証書ニ認証ヲ与フル場合ニ於テ当事者其ノ面前ニ於テ証書ノ記載ノ真実ナルコトヲ宣誓シタル上証書ニ署名若ハ捺印シ又ハ証書ノ署名若ハ捺印ヲ自認シタルトキハ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス
○2 前項ノ認証ノ嘱託ハ証書二通ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
○3 第一項ノ認証ノ嘱託ハ代理人ニ依リテ之ヲ為スコトヲ得ズ
○4 公証人ハ第一項ノ規定ニ依ル記載ヲ為シタル証書ノ中一通ヲ自ラ保存シ他ノ一通ヲ嘱託人ニ還付スルコトヲ要ス

※民法 代襲相続について

(解説)

第八百八十九条2項には、第八百八十七条2項の規定のみを準用すると定めており、3項を準用するとはしていない。

つまり、被相続人の兄弟姉妹が亡くなっていた場合、その子供は代襲相続するが、孫は代襲相続できないということ。

これは、被相続人とは、血縁関係の薄い者が相続人となる『笑う相続人』を防止するためとされている。

(法定相続分)
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

(代襲相続人の相続分)
第九百一条  第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2  前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条  被相続人の子は、相続人となる。
2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条  次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二  被相続人の兄弟姉妹
2  第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

※(相続人の欠格事由)
第八百九十一条  次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

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株式を後継者以外の者に相続させるなら議決権制限株式を発行しよう / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

中小規模の株式会社の事業承継で大切なことは、後継者に株式の大半が承継されるようにすること。

もちろん、株式だけでなく、会社の事業のために必要な資産や不動産、車や機械なども後継者が引き継げるようにしなければなりません。

でも、そうしてしまうと、後継者以外の相続人に十分な遺産が渡らず、遺留分減殺請求権を行使される可能性があるというケースも少なくないと思います。

あなたが亡くなり、相続人として、妻、長男、長女、次男が残されたとしましょう。

長男が会社の後継者になり、あなたの遺産の大半を相続。その一方で、妻、長女、次男には、ほとんど、遺産が渡らなかったとします。

四人の親子兄弟の関係がよくて、「お父さんの会社をつぶすようなことはしてはいけない。お兄さんが後継者になるのが当然だ」という意識を持っている方たちであれば、長男が遺産の大半を相続したとしても、紛糾することはないかもしれません。

しかし、親子兄弟の仲が悪いようだと「お父さんの会社なんてどうでもいい」とばかりに、自分の取り分を執拗に要求するという事態になりかねません。

会社の株式をすべて、後継者である長男に相続させると、妻、長女、次男の遺留分を侵害してしまう場合は、株式の一部を彼らに承継させるのも一つの手です。

しかし、株式を他の相続人に分散させてしまうと、株主総会における議決権が分散されてしまい、後継者が思いのままに、会社を経営できなくなってしまうという懸念もあります。

長男が株主総会で何かを決めようとしても、他の兄弟が反対して、思うままに、会社を動かせなくなってしまうわけです。

そこで、他の相続人たちに相続させる株式について、議決権を制限するという条件をつける方法もあります。

『議決権制限株式』というものです。

株式としての価値は、通常の株式同様にあり、利益の配当を受けることもできるわけですが、株主総会における議決権だけは行使できないというものです。

そんなことが可能なのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、会社法には次の規定があります。

(株主の権利)
第百五条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一  剰余金の配当を受ける権利
二  残余財産の分配を受ける権利
三  株主総会における議決権
2  株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

2項に、第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。とあります。一方で、第三号の株主総会における議決権には、言及していません。つまり、議決権を全く与えないことも可能だということです。

後継者には、普通の株式を相続させ、他の相続人には、議決権制限株式を相続させる。

そうすることで、後継者は、他の相続人の意向に左右されることなく、自由に会社の経営を行うことができるようになるわけです。

そのためには、予め、議決権制限株式を発行しておかなければなりません。

後継者が引き継いだ後で、議決権制限株式を発行して、他の相続人に配るのでは遅いのです。

あなたが、議決権制限株式を発行しておき、遺言書に、

『長男には、普通株式を何株相続させる。妻、長女、次男には、議決権制限株式を何株相続させる。』

と書き残しておかなければなりません。

しかし、議決権制限株式と分かると、妻、長女、次男が、「不公平だ!普通株式をくれ!」と要求してくることも考えられます。

もちろん、遺言書があり、遺言執行人がいて、厳正に相続手続きが行われれば、文句を言いたくても言えないということになりますが、親子兄弟の仲は、却って、こじれてしまうこともありうるでしょう。

やはり、普通株式を相続させて、納得してもらうしかないということもあると思います。

そんな時は、後で、後継者が他の相続人の株式を取り上げることができるようにしておくのも一つの手です。

つまり、他の相続人がうるさく口出しして、後継者の経営が妨げられるような事態となったら、彼らの持つ株式を取り上げて、一切、会社に関わらないようにさせるということです。

つまり、定款に『売渡請求条項』を設けておくという方法です。会社法には次のような規定が設けられています。

(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
第百七十四条  株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。

この条項を設けておけば、後継者が、相続人たちから、株式を回収することができるわけですが、もちろん、タダで取り上げることができるという意味ではありません。

『会社が相続人の有する株式を買い上げる』制度ですから、株式相当額の資金を用意しなければなりません。

会社の資金に余裕がある場合のみ使える条項ということになります。

会社を特定の後継者に引き継がせる際に、他の相続人に口出しさせたくない。だけど、他の相続人のための遺留分まで確保できない。
その場合は、議決権制限株式を発行しておく方法が確実です。

その上で、遺言書を作成するわけですが、遺言書は、相続人によっては記されてしまう危険性の高い自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言を利用するべきです。

さらに、相続人以外の第三者。例えば、行政書士や司法書士などの専門家を遺言執行者に指定しておく。

そうすることで、他の相続人に文句を言う機会を与えないのが、確実と言えます。

※参考 会社法
(異なる種類の株式)
第百八条  株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。
一  剰余金の配当
二  残余財産の分配
三  株主総会において議決権を行使することができる事項
四  譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
五  当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
六  当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
七  当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。
八  株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
九  当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。
2  株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。
一  剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容
二  残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容
三  株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項
イ 株主総会において議決権を行使することができる事項
ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件
四  譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項
五  当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項
イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項
ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法
六  当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項
イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項
ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法
七  当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項
イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法
ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件
八  株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項
イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項
ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件
九  当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項
イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数
ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数
ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項
3  前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。

(株主の平等)
第百九条  株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。
3  前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。

(議決権制限株式の発行数)
第百十五条  種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。

(種類株主総会の権限)
第三百二十一条  種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会)
第三百二十二条  種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
一  次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。)
イ 株式の種類の追加
ロ 株式の内容の変更
ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
一の二  第百七十九条の三第一項の承認
二  株式の併合又は株式の分割
三  第百八十五条に規定する株式無償割当て
四  当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
五  当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
六  第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て
七  合併
八  吸収分割
九  吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
十  新設分割
十一  株式交換
十二  株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
十三  株式移転
2  種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。
3  第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。
4  ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。

第五款 相続人等に対する売渡しの請求

(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
第百七十四条  株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。
(売渡しの請求の決定)
第百七十五条  株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
二  前号の株式を有する者の氏名又は名称
2  前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
(売渡しの請求)
第百七十六条  株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。
2  前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3  株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。
(売買価格の決定)
第百七十七条  前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。
2  株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。
3  裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。
4  第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。
5  第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。

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中小企業の株式の相続では三分の二がキーワード / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

中小規模の株式会社の事業承継で大切なことは、後継者に株式の大半が承継されるようにすることです。

中小企業では、社長自身が会社のオーナーで株式の大半を有しているのが一般的だと思います。

その場合、社長が亡くなり、相続が開始すると、社長の相続人が法定相続分に従って、株式を承継することになります。

例えば、妻、長男、長女、次男が相続人だったとすると、妻が六分の三、長男、長女、次男が六分の一という具合に、株式を相続することになります。

この場合に問題となるのが、株主総会における議決権が分散されてしまうということです。

会社法には、株主総会の決議における議決権についての定めがあります。

一般的な事項に関しては、『株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。』とされています。

重要な事項に関しては、『議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。』とされていますし、『議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。』と定められている事項もあります。

もしも、社長自身が有していたのが、総株主の議決権の三分の二に相当する株式だったとしましょう。

妻、長男、長女、次男が法定相続分に従って、相続した場合、株主総会において、重要な事項を決議するためには、妻、長男、長女、次男の四名が全員一致しなければならないことになります。

もちろん、親子兄弟が仲良くやっているならば、当面は問題ないかもしれませんが、少しでも関係が崩れると、たちまち、株主総会で物事を決められない事態になってしまい、会社の経営に支障をきたすことになってしまいます。

そこで、重要なのが、会社の後継者と決めた者に、オーナー兼社長である被相続人が有していた株式を集中的に相続させるということです。

例えば、長男を後継者と決めたら、会社の株式をすべて、長男に集中させるようにしなければなりません。そうすることで、長男は、自分の思い通りに会社を動かしていくことができるわけです。

もちろん、逆も考えられます。

長男一人に会社を任せるのは危なっかしいというのであれば、あえて法定相続分で相続させることで、他の兄弟たちに、長男の監視役を担ってもらうということも考えられます。

ですが、身内に会社の経営を監視させるのは好ましいことではありません。監視という名目の下、会社の経営権をめぐる兄弟同士の諍いに発展してしまうからです。

株式を後継者に集中的に相続させるためにも、遺言書を書き残す必要があります。

この場合に注意しなければならないのが、何度も取り上げている遺留分です。各相続人の遺留分に配慮しながら、総株主の議決権の三分の二に相当する株式が、後継者に集中するように調整しなければならないのです。

※会社法
(株主総会の決議)
第三百九条  株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2  前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一  第百四十条第二項及び第五項の株主総会――株式会社又は指定買取人による買取り
二  第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)――株式の取得に関する事項の決定
三  第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会――全部取得条項付種類株式の取得に関する決定、売渡しの請求の決定
四  第百八十条第二項の株主総会――株式の併合
五  第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会――募集株式の発行(募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合、募集株式の割当て、募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
六  第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会――新株予約権の発行(募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合、募集新株予約権の割当て、募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則)
七  第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)――株主総会の決議による役員及び会計監査人の解任
八  第四百二十五条第一項の株主総会――役員等の損害賠償責任の一部免除
九  第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)――資本金の額の減少
イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。
ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
十  第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)――剰余金の配当に関する事項の決定
十一  第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会――第六章 定款の変更(第四百六十六条)、第七章 事業の譲渡等(第四百六十七条―第四百七十条)、第八章 解散(第四百七十一条―第四百七十四条)
十二  第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会――組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
3  前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一  その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
二  第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)――吸収合併契約等の承認等
三  第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)――新設合併契約等の承認
4  前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
5  取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項――株主総会の招集の決定――以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任――株主総会に提出された資料等の調査――又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めること――定時株主総会における会計監査人の意見の陳述――については、この限りでない。

※第百九条
(株主の平等)
第百九条  株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。
3  前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。
(株主の権利)
第百五条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一  剰余金の配当を受ける権利
二  残余財産の分配を受ける権利
三  株主総会における議決権
2  株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

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中小企業の事業承継対策は、事業を継いだ瞬間から考えよう / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

中小企業の事業承継対策は、事業を継いだ瞬間から考えよう

中小企業の事業承継において大切なことは、後継者に事業に必要な資産を余すことなく承継させるということです。

そのためには、

1、元気なうちに、後継者を決め、経験を積ませる。
2、事業に必要な資産を整理する。
3、それらの資産が、後継者に受け継がれるように、遺言書を作成しておく。

ことが大切です。

まず、後継者を誰にするのかは、早い段階で決定しておかなければなりません。

自分の子供を後継者にするのか。

子供は受け継ぎたくないと言っているなら、他に承継させられる人がいるかどうか。を検討しましょう。

自分の子供の一人を後継者にすると決めたら、早い段階で、その旨を宣言して、家族はもちろんの事、取引先にも知らせるべきです。

そして、あなたが元気なうちに、後継者に仕事の多くを譲るのが望ましいでしょう。

一番肝心なのは、『経験を積ませる』ことだからです。

建設業のように、営業許認可が必要な事業の場合は、後継者が、スムーズに事業を受け継げるように、経験を積ませなければなりません。

取得済みの建設業許可を維持するためには、経営業務の管理責任者としての経験がある者が必要ですし、資格を有する専任技術者が必要になります。

専任技術者に関しては、後継者に勉強させて、建築士や施工管理技士の資格等を取らせるだけでよいのですが、経営業務の管理責任者としての経験は、実際に、経営者としての経験を積まなければなりません。

例えば、専務取締役として、五年以上の経験を積むことが求められるわけです。

もしも、後継者に、経営業務の管理責任者としての経験を積ませないまま、あなたが亡くなってしまうようなことになれば、後継者の代になった時、経営業務の管理責任者としての経験がないために、建設業許可を維持する事ができなくなってしまいます。

次に、事業に必要な資産は、どれかを見極めて、それが確実に、後継者に承継されるようにしなければなりません。

そのためには、『資産を整理して、遺言書を書くこと』が基本です。

資産を整理する際には、会社の事業に必要な資産だけをピックアップすればいいわけではありません。

例えば、会社の株式、工場の土地と建物。営業用の車や機械。運転資金が、事業のために必要な資産だったとしましょう。

それらの物を後継者に承継させる旨の遺言書を書くことは、当然ですが、それだけでは十分とは言えません。

第一に、相続税のことを考慮しなければなりません。事業に必要な資産は、多額になることが多く、相続税がかかることもあります。

相続税がかかる場合は、相続税を払うための資金も用意しなければ、いざ、後継者が承継したときに、運転資金から、相続税を捻出しなければならなかったりして、会社のお金や資産が無くなってしまうという事態になりかねません。

第二に、他の相続人の遺留分を配慮しなければならないということです。

例えば、長男を後継者に指名して、事業に必要な資産の大半を相続させた場合、他の子供たちへ相続させる遺産が何もないという事態になってしまうことも珍しくありません。

どのような事情があるにしても、相続人は、遺留分を主張することができます。

もしも、相続人が遺留分を主張すると、会社の存続が危うくなるというような事情があったとしても、遺留分減殺請求権の行使が妨げられることはありません。

他の相続人が、自分の権利を主張した結果、会社のお金や資産が無くなってしまうという事態になりかねないのです。

そのような事態を避けるためには、他の相続人に対しても、遺留分相当額の遺産を承継させるのが最も確実ですが、もしも、それだけの資産がない場合は、他の方法を考えなければなりません。

例えば、他の相続人には、生前に特別な贈与や配慮をしておくというようなことです。

建設業の方であれば、他の子供たちの家を、実費で建ててやるという様な形で納得させることもできるでしょう。

あるいは、特別に多額の学費を出してやって、いい職業に就けるように配慮するという方法も考えられます。

いずれにしても、中小企業の事業承継は、いざという時になってから、慌ててもうまくはいきません。

若い時から対策しても、早すぎることはありません。

先祖代々続いてきた事業を守るためには、先代から事業を引き継いだ瞬間から、次の世代にどうバトンタッチするのかを考える必要があります。

※建設業法
(許可の基準)
第七条  国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一  法人である場合においてはその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)のうち常勤であるものの一人が、個人である場合においてはその者又はその支配人のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
ロ 国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者
二  その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。以下同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法 による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。以下同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。以下同じ。)を卒業した後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
三  法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
四  請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。

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外国人の相続・遺言問題 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

外国人が、日本において、相続をする場合はどうなるでしょう。
例えば、アメリカ国籍を持つ外国人が、日本に居住している時に、日本で亡くなり、相続が発生した。遺産として日本国内の不動産や動産がある。
相続人は、日本人の妻との間に生まれた日本国籍を持つ子供とは限らず、アメリカ人の子供たちだけということもあり得ます。
この場合、日本の法律が適用されるのか。それとも、アメリカの法が適用されるのかが問題になります。
これを渉外相続の問題と言います。

渉外相続が行われる場合、どの国の法律が適用されるのか――準拠法――を決めなければなりません。
結論から言いますと、『法の適用に関する通則法』という法律があり、渉外事件では、どこの国の法律が適用されるかが定められています。

まず、相続の場合、基本となるのは、被相続人の本国法とされています。

法の適用に関する通則法

(相続)
第三十六条  相続は、被相続人の本国法による。

(遺言)
第三十七条  遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。
2  遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。

本国法とは何かというと、これも定義があります。
一般的には、国籍を有する国の法ということになりますが、例外もあります。

(本国法)
第三十八条  当事者が二以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする。ただし、その国籍のうちのいずれかが日本の国籍であるときは、日本法を当事者の本国法とする。
2  当事者の本国法によるべき場合において、当事者が国籍を有しないときは、その常居所地法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第三十二条の規定の適用については、この限りでない。
3  当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする。

(常居所地法)
第三十九条  当事者の常居所地法によるべき場合において、その常居所が知れないときは、その居所地法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この限りでない。

(人的に法を異にする国又は地の法)
第四十条  当事者が人的に法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある法)を当事者の本国法とする。
2  前項の規定は、当事者の常居所地が人的に法を異にする場合における当事者の常居所地法で第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十六条第二項第二号、第三十二条又は第三十八条第二項の規定により適用されるもの及び夫婦に最も密接な関係がある地が人的に法を異にする場合における夫婦に最も密接な関係がある地の法について準用する。

(反致)
第四十一条  当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)又は第三十二条の規定により当事者の本国法によるべき場合は、この限りでない。

(公序)
第四十二条  外国法によるべき場合において、その規定の適用が公の秩序又は善良の風俗に反するときは、これを適用しない。

※(婚姻の効力)
第二十五条  婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。

※(親子間の法律関係)
第三十二条  親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法(父母の一方が死亡し、又は知れない場合にあっては、他の一方の本国法)と同一である場合には子の本国法により、その他の場合には子の常居所地法による。

一般的には、アメリカ国籍を有する人が、日本で亡くなり、日本で相続が開始したとしても、『相続は、被相続人の本国法による。』とされていますから、アメリカの法律に従って、相続が開始されることになります。

しかし、必ずしも、アメリカの法律が適用されるとは限りません。

法の適用に関する通則法第四十一条に、反致という制度があります。
『当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。』

つまり、アメリカの法律に、アメリカ国籍を有する人が、外国で亡くなった場合は、死亡地の法による。というような事が書かれていれば、日本の法律によって、相続を行ってもよいですよ。という意味です。

相続財産と言うと、一般的には、動産と不動産に分けられます。

動産は、被相続人が所持しているわけですから、アメリカの法に従って相続するとしても、問題ありません。しかし、不動産はそうはいきません。日本の土地をアメリカの法に従って、相続するとなると、手続が難しくなることも考えられます。

そこで、動産と不動産とで、別々の相続方法を取る国もあります。

相続分割主義と言い、「動産については被相続人の死亡時の住所地の法律に従う。不動産については不動産所在地の法律に従う」と定めていることがあるのです。

アメリカの場合は、相続分割主義を採用している州がほとんどです。

ですから、アメリカ国籍を有する人が、日本に不動産を有しており、アメリカで亡くなったとしても、不動産については、日本の法律に従って、相続が行われるということになります。

このように、外国国籍の方が絡む相続手続では、まず、どこの国の法律が適用されるのかを見定めることから始めなければなりません。

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遺言によって認知しても子供が傷つくだけ / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

昔、別れた恋人の子供が自分の子供だと知っている。

だけど、彼女とは結婚しなかったから、子供との戸籍上の繋がりはない。

子供は今どうしているのだろう。どうしても気がかりでならない……。

今になって、急に子供のことが気になり始めた。

子供の面倒を全く見なかったことを後悔している。

子供の成長を見守れなかったことを悔やんでいる。

せめて、自分の遺産の一部を子供に譲りたい。

でも……、今まで、ずっと会っていなかったのに、いきなり、父親は私だと名乗り出たところで子供が受け入れるだろうか?

自分から、名乗り出す勇気はない。でも、黙っていることはできない……。

母親と子供の関係は、出産によって当然に、生じます。子供を産んだ後で、置き去りにしたとか、赤ちゃんポストに預けたというのでない限り、戸籍には、母親の名前がしっかり刻まれることになります。

一方、父親との関係は、当然に生じるとは限りません。

法律上当然に、父子関係が認められるのは、父親と母親が結婚している場合だけです。

民法
(嫡出の推定)
第七百七十二条  妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

婚姻関係にない女性との間に子供ができてしまった場合は、父親が認知しない限り、嫡出の推定を受けることはありません。そんな子供の父親は自分だと宣言することを認知と言います。

民法
(認知)
第七百七十九条  嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

一般的には、市区町村役場に出向いて、認知届を行うことによって、その旨の宣言をするわけです。

(認知の方式)
第七百八十一条  認知は、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによってする。
2  認知は、遺言によっても、することができる。

この認知をしない限り、自分の子供だと、知っていたとしても、父子関係が生じることはありませんし、子供があなたの相続人になることもできません。

面と向かって、自分の子供だと言い出すことはできないけど、何か書き残したい。

そんな時は、遺言を使うのも一つの手です。つまり、遺言書に、彼女が産んだ子供は、私の子供だから認知すると書いておくのです。

ただ、遺言によって認知する場合は、記載事項が戸籍法に則ったものでなければなりません。

遺言書の文言としては、

遺言書

次の者は遺言者と(母親の氏名、住所、本籍)の間の子であるから、遺言者はこれを認知する。
子供の本籍、筆頭者、氏名
(以下略)

このような文章で、構いません。

しかし、遺言書に記載する形で一方的に宣言しても、認知が認められるとは限りません。
本来、認知は単独行為で、子供や母親の承諾を得る必要はありませんが、承諾が必要な場合もあるです。

例えば、子供が既に成年に達している場合は、認知をするには、子供の承諾を得なければなりません。父子関係を生じさせるかどうかの選択肢が子供に委ねられているわけです。

(成年の子の認知)
第七百八十二条  成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。

逆に、認知する子が未だ、生まれていない場合は母親の承諾を得なければならないとされています。

(胎児又は死亡した子の認知)
第七百八十三条  父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2  父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。

仮に、子供が亡くなっている場合でも、子供に子がいれば――あなたから見れば孫がいれば――、認知することができ、父子関係はもちろん、祖父と孫の関係を生じさせることもできます。孫が成年に達している場合は、孫の承諾が必要です。

もしも、あなたが老年に達しているのであれば、子供が成年に達している事もあると思います。

今まで、無縁だったのに、いきなり、私が父親だと名乗り出られたところで、子供が受け入れられるでしょうか?

形式的な紙切れ一枚を渡されただけで、「はい。そうですか」と受け入れられる人は少ないと思います。

遺産を譲りたいと言われたところで、戸惑うばかりでしょう。

それに、あなたの今の家族は、いい顔をするはずがありません。

遺産が見ず知らずの人間に取られるわ。隠し子が発覚するわで、踏んだり蹴ったりです。

「こんな子供がいたなんて!一体、あんた何者なのよ!」

と、その恨みを子供に対して向けるであろうことは想像に難くありません。

すると、訳も分からないままに、子供が傷つくだけで、たとえ、遺産を譲られたところで、あなたに対して、「お父さん」と呼びかけようとする気持ちが湧くことはないのではないでしょうか。

遺言書一枚で、子供にあなたの寸志を伝えることは、できません。今の家族も納得しません。

遺言書ではなく、子供や今の家族への手紙を添える――附言事項(付帯事項)――によって、気持ちを伝えることも不可能ではありませんが、よほど、気持ちのこもったものでなければ、伝わりません。

あの子に「お父さん」と呼ばれたい。
今の家族にも、あの子のことを受け入れてやってほしい。

そう考えているのであれば、やはり、生前に自ら、告白するのが一番です。

※戸籍法

第三節 認知

第六十条  認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
一  父が認知をする場合には、母の氏名及び本籍
二  死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日及び本籍

第六十一条  胎内に在る子を認知する場合には、届書にその旨、母の氏名及び本籍を記載し、母の本籍地でこれを届け出なければならない。

第六十二条  民法第七百八十九条第二項 の規定によつて嫡出子となるべき者について、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有する。

第六十三条  認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から十日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
○2  訴えを提起した者が前項の規定による届出をしないときは、その相手方は、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができる。この場合には、同項後段の規定を準用する。

第六十四条  遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から十日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、第六十条又は第六十一条の規定に従つて、その届出をしなければならない。

第六十五条  認知された胎児が死体で生まれたときは、出生届出義務者は、その事実を知つた日から十四日以内に、認知の届出地で、その旨を届け出なければならない。但し、遺言執行者が前条の届出をした場合には、遺言執行者が、その届出をしなければならない。

※民法

(準正)
第七百八十九条  父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
2  婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
3  前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。

●実録行政書士開業十年シリーズ
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年
平成十五年の行政書士試験合格後、大学卒業と共に行政書士補助者となるも二か月で失業。
人生で最もどん底の時期を生き抜き、人脈、資金、営業経験ゼロの状態から弁護士と行政書士の合同事務所を設立し、現在、十周年を過ぎた行政書士の開業初期の実体験を記した手記。

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農地を長男に相続させるためには? / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

民法の原則では、相続が発生した場合、配偶者と子供たちは法定相続分に従って、遺産を分割することが建前となっています。

(法定相続分)
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

尤も、この規定は任意規定ですから、必ず、法定相続分通りに相続しなければならないわけではありません。

例えば、父が亡くなり、母と長男、次男、長女が相続人だったとしましょう。

めぼしい相続財産は、広大な農地のみ。
農地は、長男が継ぐ――長子相続――が、その地域の慣習だったとします。
現在の民法制度の下でも、長男のみが相続することは可能です。

特に、農地の場合は、分割してしまうと狭くなってしまい、効率的な農地経営の観点からも好ましくありません。
もちろん、物理的に分割せず、権利だけ共有という形にすることもできます。共有の場合は、農耕作業には、全く影響しなくても、農地から得られる一人当たりの収入が減ってしまい、農業だけでは、生活が成り立たなくなってしまいます。そうなると、農地を手放してしまうということもありうるでしょう。

やはり、農地に関しては、昔ながらの長子相続の形で、相続するのが望ましいと言えます。

その場合、農地を相続しない次男、長女に対しては一定の配慮が必要になります。

まず、母親の面倒は誰が見るのか?と言う点に関しては、やはり、農地を相続した見返りに、長男が世話するのが望ましいということになるでしょう。

長子相続とすると決めたとしても、次男、長女には、次のように、遺留分があります。

(遺留分の帰属及びその割合)
第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

母と長男、次男、長女が相続人となる場合は、次男、長女は相続財産の六分の一×二分の一=十二分の一
つまり、どのような形で相続されるのであれ、全遺産のうち、十二分の一は、次男、長女が相続する権利を主張することができる――遺留分減殺請求することができる――わけです。

以下、具体的な数字で見ていきましょう。この記事を作成している時点で、農地の価格の相場は次の通りです。

10アール=約1反=約300坪あたり
純農業地域 田127.0万円、畑92.4万円
都市的農業地域 田358.9万円、畑346.7万円

ところで、農地は必要最低限の広さが農地法で定められています。北海道では二ヘクタール、都府県では五十アールが最低限の面積です。

一ヘクタールとは、100アール=約10反=約3000坪です。

北海道では、二ヘクタールが最低面積。ということは、200アール=約20反=約6000坪もの土地がなければ、農地として認められないということなんですね。

※農地法
(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)
第三条  農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。(略)
2  前項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。(略)
五  第一号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその取得後において耕作の事業に供すべき農地の面積の合計及びその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき採草放牧地の面積の合計が、いずれも、北海道では二ヘクタール、都府県では五十アール(農業委員会が、農林水産省令で定める基準に従い、市町村の区域の全部又は一部についてこれらの面積の範囲内で別段の面積を定め、農林水産省令で定めるところにより、これを公示したときは、その面積)に達しない場合 (略)

例えば、都心部に近い都市的農業地域で、50アールの田を長男が相続したとしましょう。

価格はおおむね10アールあたり358.9万円となっていますから、1794.5万円――四捨五入して1800万円とします――相当の価値があることになります。

これを長男のみが相続。それに対して、次男、長女が遺留分を主張した場合は、

約1800万円×十二分の一=約150万円

この金額だけ、遺留分減殺請求することができるわけです。

もしも、次男、長女が弁護士を立てるなどして、権利主張した場合は、長男は、約150万円の金額をどうにかして捻出しなければならないことになります。

一般的には、価額による弁償ということになりますが、現金がなければ、農地を売るしかないということになります。

しかし、農地の売却については、農地法によって、様々な規制があり、自由に売却することはできません。50アールしかない場合は、先の農地法第三条の規定にあるとおり、下限面積ぎりぎりですから、切り売りすることなど出来ず、丸ごと手放すしかなくなるわけです。

そうなってしまうと、先祖代々受け継がれてきた農地を長男の代でダメにしてしまうことになりかねません。

そこで、次男、長女に対しても一定の遺産を分けてやることが穏便な相続のためには必要でしょう。

最低でも遺留分相当額の遺産を相続させるべきです。

例えば、銀行預金や株式などの不動産以外の資産を相続させることを検討すべきです。

もしも、十分な銀行預金が残っていない。残っていたとしても、そのお金は、母の生活のために必要なお金だということになると、次男、長女に対して、何等の遺産を残せないことになるかもしれません。

その場合、次男、長女を納得させる方法として、現物支給するという方法も考えられます。

例えば、田圃で取れる米を次男、長女に対して、毎月10キロずつ、送ってやるという方法です。仮に10キロ3000円と仮定すると、1年間あたり、36000円相当の贈与をしているも同然です。

それを約42年間続ければ、遺留分相当額の約150万円に達することになります。

その旨の約束をすることによって、次男、長女を納得させるというのも一つの方法と言えます。

参考条文
民法
(遺留分の算定)
第千二十九条  遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
2  条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
第千三十条  贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
(遺贈又は贈与の減殺請求)
第千三十一条  遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。
(遺留分権利者に対する価額による弁償)
第千四十一条  受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2  前項の規定は、前条第一項ただし書の場合について準用する。

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介護が必要な人を残して逝く場合 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

自分の配偶者や障害のある子供が介護が必要な状態でありながら、自分の寿命の方が先に尽きてしまうことを覚悟している方もいると思います。
幸い、元気な子供がいて、彼らが自分の配偶者や障害のある子供の面倒を見てくれるというのであれば、恵まれていると言えるかもしれません。
家族の面倒を見るのに損得勘定などは考慮するべきではないかもしれません。しかし、介護が必要な状態が長く続くようだと、家族も疲弊してしまいます。
子供が自分の人生を犠牲にしながら、親や兄弟の面倒を見るような事態となれば、あなたとしても、やりきれないことでしょう。
やはり、介護施設への入居を検討する事も必要です。そのためには、一定の資産が必要になります。
「自分の遺産はすべて、介護が必要な子供のために使ってくれ」という趣旨の遺言を残したとしても、そのとおりに実行されるとは限りません。
先を見据えた対策を練っておく必要があります。
例えば、不動産を健康な子供と障害のある子供の共有にするというのも一つの方法です。
通常、不動産の相続において、共有状態を作り出すことは望ましいことではないとされていますが、共有にしておけば、健康な子供が障害のある子供を一方的に追い出すことは、できなくなりますから、とりあえずは、障害のある子供の住まいが確保されることになります。
一方で、健康な子供には、障害のある子供の面倒を見てやってほしい。あるいは、介護施設に入れる世話をしてやってほしいと思っているならば、健康な子供に金融資産の大半を相続させて、「この資産は障害のある子供の面倒を見るために使ってほしい」という付言事項を残しておくのも一つの手です。
付言事項には、法的な拘束力はありません。その文言に反して、他の用途に金融資産を流用してしまったとしても、誰も文句は言えないわけです。
でも、責任感のある子供であれば、親の付言事項に背くことはないでしょう。
元気な子供に、負担をかけたくないとか、どうしても信用できない。というのであれば、第三者に遺産を託して、自分の配偶者や障害のある子供の面倒を見るために運用してもらうしかありません。
特定贈与信託もその一つの方法です。
特定贈与信託は、特定障害者――重度の心身障がい者、中軽度の知的障がい者、障害等級2級、3級の精神障がい者等――の生活の安定を図ることを目的に、その親族等が金銭等の財産を信託銀行等に信託するものです。
信託銀行等は、信託された財産を管理・運用し、特定障害者の生活費や医療費のために、定期的に金銭を交付します。
第三者である信託銀行等が財産を管理・運用するわけですから、他の用途に流用される心配はありません。
また、特定贈与信託を利用すると、税金面でも有利になります。
具体的には、
特別障害者――重度の心身障がい者――の方については6,000万円
特別障害者以外の特定障害者――中軽度の知的障がい者および障害等級2級または3級の精神障がい者等――の方については3,000万円
を限度として贈与税が非課税となります。
介護の問題は、一筋縄ではいきません。一人で悩まずに、介護問題に詳しい人に相談して、早く身軽になりましょう。

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遺言による未成年後見人の指定 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

・未成年後見人の指定

子供が成人する前に自分の寿命が尽きると覚悟している方もいると思います。
片親が存命であれば、子供の親権者は片親だけになりますが、親が二人ともいなくなる場合は、自分の代わりに親権者となってくれる人を探さなければなりません。

親の代わりに子供の面倒を見る人のことを未成年後見人と言います。
未成年後見人の指定は、遺言によって行います。
遺言によって、未成年後見人を指定しなかった場合は、家庭裁判所が選任することになりますが、子供を託せる人が決まっていないというのは子供のためにもよくないことですから、生前に決めておくことが望ましいです。

未成年後見人を決めるだけでは不安だ。未成年後見人がちゃんと面倒を見てくれるかどうか心配だという場合は、未成年後見人を監督する者を決めることもできます。これを未成年後見監督人と言います。

未成年後見人に選任された人は、親権者と同様に子供の教育や監督、財産の管理を行うことになります。これらの行いに対しては、未成年者の財産(未成年者が相続した遺産)から報酬が支払われることになります。
なお、資力がない場合は、市町村などで支援制度を用意していることもあります。

・未成年後見人を指定する以外の方法

未成年後見人を指定する方法以外にも子供の面倒を見てもらう方法はあります。

一つは、信頼できる人に対して負担付遺贈を行う方法です。
遺産を遺贈する見返りとして、受遺者に子供の面倒を見るという負担を負わせるというものです。本当に子どもの面倒を見てくれるかどうか不安だという場合は、遺言執行者を指定することで、受遺者の行いを監督させることもできます。
裁判所が関わらないというだけで、未成年後見人とほぼ同様の目的を達することができますが、やはり、未成年後見人を指定する方法に比べると、不安があるのは否めません。
また、負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。 とされているので、遺産に余裕がある方しか利用できません。

もう一つの方法は、子供を養子に出すという方法です。
養子縁組を結んだ場合は、養親は新たな親権者となりますから、無報酬で子供の養育監護を行うことになります。
資力がない場合でも利用できる制度ですが、養親が子を虐待しないかどうか不安だという方もいるでしょう。養親となる者が信頼できる人間かどうかを見極めることが大切です。

※民法条文

(未成年後見人の指定)
第八百三十九条  未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2  親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。

(未成年後見人の選任)
第八百四十条  前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2  未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3  未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。

(未成年後見監督人の指定)
第八百四十八条  未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
(後見監督人の選任)
第八百四十九条  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
(後見監督人の欠格事由)
第八百五十条  後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。

(後見人の報酬)
第八百六十二条  家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。

(負担付遺贈)
第千二条  負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条  負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

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連れ子がいる場合の相続関係 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

連れ子のいるパートナーと結婚した場合、連れ子との間に親子関係を生じさせるためには養子縁組をしなければなりません。

連れ子が成人していて、同居する予定がないが、法的な親子関係を生じさせたいという場合はもちろんのこと、未成年なので当然、同居し続けるという場合でも、連れ子との法的な親子関係を生じさせるためには、婚姻届とは別に、養子縁組の届け出を提出しなければなりません。

養子縁組をしておけば、いざ相続となった時、連れ子でも実子と同様に法定相続人となることができます。

養子縁組を結んでいない場合は、どんなに親密な関係だったとしても、連れ子は法定相続人となることができません。

その場合でも、遺言書によって、遺産を遺贈することはできますが、相続人の中に実子もおり、連れ子との関係が微妙な場合は、トラブルに発展しがちです。

実子にしてみれば、血のつながりのない他人がどうして、自分の親の遺産を受け継ぐのかと不満に思うでしょうし、連れ子にしてみれば、血のつながりがなくても親子同然に暮らしていたのだから、遺産を受け継ぐ権利があると考えるでしょう。

そんな時、連れ子が養子縁組をしておらず、法定相続人ではないとなると、立場は弱くなり、遺産分割でも不利になるということもあり得ます。

連れ子にも実子と同様に遺産を受け継がせたいと思っているのなら、養子縁組をしておくべきです。

なお、連れ子のいるパートナーと離婚した場合、養子縁組を結んだ連れ子との関係が当然に解消されるわけではないという点にも注意が必要です。

パートナーと離婚した後でも養親と養子の関係は継続し続けます。

ですから、いざ相続となった場合は、離婚してから完全に縁を絶った連れ子でも、相続人となる資格を有することになるので注意が必要です。

連れ子との関係も離婚と同時に終わらせたいという場合は、離婚届とは別に、連れ子との養子離縁届を提出しなければなりません。

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食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方3 実録行政書士開業十年5
行政書士は食えない、役立たない資格。だからこそ、食えるのだ――。金、経験、人脈なしの最悪の状況で開業した行政書士が、孫子の兵法によって悟りを開き、たどり着いた境地とは?